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試験の産物 

それはちょうど1ヶ月ほど前の、翌日から試験週間が始まるという日曜日の朝のこと。
口頭試験の対象になっていた、9つの文学(17世紀のモリエールから近代のサルトル、さらに10年ほど前のエッセイまで)を、ネットで調べまくっていました。
このあたりになると、辞書を駆使してもさっぱり理解できないものが多く、ネットのない時代に留学していた人たちは、本当に大変だっただろうなあと思いながら。
探して本の評を読んでいくうちに、試験が終わったら一冊、じっくり読んでみたいと思う本に出会い、本屋で探すのも面倒なので、そのまま通販サイトでその本を購入しました。
こういった調べ物は、試験の始まる1週間くらい前までにやっておけばよいものを、性格的に切羽詰まらないと動けなくて。

決済まで終了すると、「お買い上げありがとうございます。ただ今、2009年のカレンダーを無料でさしあげています。」というメッセージ(仏語)が。
新年もまだ半月過ぎたばかりだし、おまけで付いてくるのならと、そこをクリック。
すると、「表紙には、あなたのお好きな写真を入れられます。」
え~?素敵!そんなサービスが。自分で撮った、パリっぽい写真をアップロード。そして次に進むと、
「さらに12ヶ月分、それぞれの月にお好きな写真をアップロード、どうぞ。」
へえ、丸ごとオリジナルカレンダーが作れるの?それはそれは。と、試験のことが頭をかすめつつも、このブログで使用した写真の中から選んで12ヶ月分のアップロードをしました。
すると、送料が5日以内到着だと18ユーロ、2週間以内で10ユーロ、3週間以内だと6.8ユーロになりますが、どれを選びますか?と出てくるではありませんか。

え~?無料って書いてあったからここまで進んだのに。。。ではここで止める?
とも思ったのですが、ここまでたどり着くのに画像アップの作業と待ち時間が12枚+表紙の分もあってかれこれ1時間半も経過。この貴重な試験前の午前中、ここで止めたらこの1時間半が全くの無駄に?
と、ささやかな葛藤を経てそのまま申し込むことに。もういつ届いても良いので一番遅い3週間後着のコースで。

さらに今度は、画像アップロード費2.8ユーロが加算されますと表示。止める動機にはならない微妙な金額。
さて次は?紙質をハイクオリティにする場合はプラス3ユーロ。いらない、いらない。
日付部分をカラーにするにはプラス4ユーロ。いやいや、モノクロでじゅうぶん。
あなたの選んだこの写真入りのTシャツはいかがでしょう。いりません。
あなたの住所がスタンプになりますがいかがでしょう。いるわけありません。
写真入りマグカップは?シールは?名前入りボールペンは?いるかっ!
早く申込み終わらせて試験勉強させてくれ~。

それから10日後、予定より早くこんなカレンダーが届きました。
ハイクオリティの選択はしなかったものの、紙質もしっかりしてるし、発色も良く、画質も悪くはありません。片面A4サイズのオリジナルカレンダー9.6ユーロ也。
agenda3.jpg agenda7.jpg
agenda5.jpg agenda12.jpg

こういうマーケティング手法はアメリカの物だと思っていましたが、フランスでも実施されていることに驚きました。

さて、肝心の試験の結果は。。。

合格していました。クラスのスペイン人やイタリア人、ロシア人の会話力・理解力の高い人たちのペースでガンガン進んで行く授業、あわわと、口をはさむタイミングもあまりなく、ほとんど落ちこぼれ状態。筆記試験の手応えもなく合格は諦めていただけに、これはうれしい結果でした。
土曜日、ディプロム授与式に出席しましたが、角帽の房の色が黄色から青に変わっただけで、あとは昨年のこの日記とまったく同じです。

フランスは、昨日から年に何回もあるバカンスのひとつ、通称スキー休暇が始まりました。
約2週間、子供たちの学校も休みに入り、カリグラフィーのアトリエも休みに、無料新聞の配布員のお兄さんたちもお休みに入りました。
3月からは小さな学校に入って、もっと会話の練習に励みたいと思います。
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有料新聞と無料新聞 

先週は、授業で「メディア」をテーマにした一週間でした。
TV・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット5媒体の特徴や役割についてとか、そこで使われる用語についてなどです。
TVだと、どの局ではどんな系統の番組をやっているとか、ドキュメンタリーとルポルタージュの違いについてとか。言葉がフランス語というだけで、日本でも同様の分類がされていると思います。

こちらでの情報収集方法としては、日本のニュースはほとんどインターネットでタイムリーにわかりますが、現地情報として毎日読んでいるのは、下記のような無料新聞です。
無料新聞
これは平日の朝・夕に、メトロ構内の専用ラックに置かれていたり、出口で手渡しで配布されています。朝刊だけでも、主としてDirect matin, Metro, 20minutesと3紙あるので、歩くルートをうまく考えると、3紙とも入手することだってできます。
日本のいわゆるフリーパーパーと違うのは、一般新聞とほぼ同じカテゴリーの情報、つまり政治・経済・国際・社会・家庭・文化(食・芸術・映画など)・スポーツ・TV欄・天気予報・占いなどが網羅されているので、生活する分には十分な情報があります。

大統領選の時は、各候補者の政策や地域別予想、選挙速報もかなり早く詳細が出ていたと思います。国際面では、今回の福田総理辞任ニュースの扱いより、その後に出た「小池候補、日本史上初の女性総理誕生なるか」の方が大きく扱われていましたが。
ル・モンドやル・フィガロなど(1部約250円)の一般新聞と比べれば、それは確かにクウォリティに差があるのは確かですが、そこまで読みこなせない私としては、無料新聞を読むことだけでもかなりの勉強になるし、十分な情報が得られると思っています。

このような無料新聞(20minutesで80万部、Metroで63万部)の発行部数は年々右肩上がりの一方、一般新聞(Le Figaroで32万部)は減り続けているそうです。周囲での読まれ方を見ていて、どう考えてもそうだろうと思います。
そこで有料新聞14紙が共同で立ち上がり、今月から一部のメトロ構内で、平日朝夕の通勤・通学時に販売プロモーションが始まりました。

このやり方について、ネット上で様々な意見が出ていて、そのコメントを読み、さらに自分の意見を言うという授業だったのですが、私は「売るためには、やらないよりはやった方がいいと思うけれど、これだけ無料新聞が充実していると、なかなか有料新聞は売れないと思う。プロモーションをやるのなら、無料新聞が発行されない土日にやった方が良いと思う。」と言ったら、フランス人の先生に思いっきり突っ込まれました。

「情報のクウォリティが全然違うから、無料新聞とは別物よ」と。「確かに政治や経済については差があると思いますけど、Le Mondeを買っても一部分しか理解できない今の私には、無料新聞で十分だと思います。クウォリティの差って、どのくらいの差があるものなんですか?」なんていう会話をした時、先生は「やっぱりね、何が違うかって、エスプリの利かせ方が全然違うのよね。写真のクウォリティもね。」この話を聞いた時、あ~忘れていた、フランスではとっても大事な「エスプリ」。
日本語でいう読売・朝日・日経の社説の違いが面白いと思えるくらい語学が上達して、半分わかるようになったらたまには買うかもしれません。でも年配のフランス人が言うのではなく、30歳のこの先生がきちんと価値の差を見出しているのがわかり、部数は落ちても決して有料新聞がなくなることはないんだろうなとも思いました。
あ、ちなみに日本の新聞の部数は、読売で1000万部という、フランスとは比較にならないくらいの巨大なものなので、媒体の存在意味が全然違うと思います。

もうひとつ興味深かったのは、フランス人のメディアに対する信頼度調査の結果(2007年度)です。
その媒体に出ている情報は信頼できるかという質問に対して、「はい」と答えた人は、
新聞:51% ラジオ:57% TV:48%
TVは編集の仕方によって、事実がどのようにも伝わるからということで一番信頼度が低いようですが、この3つの数字って、かなり低いと思いませんか?70-80%位のイメージがあったのですが、意外と冷めた目で見ているということに驚きました。

授業の内容が堅かった分、今日のブログもカタイなあ。。。

ディプロム授与式 

先日のブログに書いた、学期修了試験の結果は。。。
修了式

なんとか合格していました。

そして大学構内のホールにて、ディプロム授与式が行われました。
角帽にガウンは初めてで帽子のかぶり方が全く様になっていませんが、生演奏の厳かな雰囲気の中、一人ずつ名前を呼ばれ、無事ディプロムを受け取ることができました。
(写真:ステージ正面の自席から撮ったので、本人は写っていません。)

3週間前の試験が、はるか昔のことのようです。覚えたことも、この3週間ですっかり後退。
やばい、やばい。またちょっと気を入れ直さなくては。

2年目に入りました。 

去年の2月から1年間通ったパリカトが修了しました。
毎日のように通ったこの学校には、やはりたくさんの思い出もでき、もう来ることはないのかと思うととても名残惜しい気持ちと同時に、2年目に入るんだという新たな緊張感が入り混じる思いでした。

1週間のバカンスを経て、来週からは心機一転、ソルボンヌ文明講座に通うことになります。
これまで外観しか見たことのなかった、歴史のある巨大なソルボンヌ(パリ第4大学)の中に初めて入った時は、古くて堅く冷た~い感じで、これまで通った私立カトリック系とは両極にある印象です。
またここでも、宿題とテスト漬けの生活が始まろうとしています。

パリでの生活も2年目。
学校が変わることで、行動エリアも環境もがらっと変わりそうで、それも楽しみです。
1年目とはまた違うパリの生活、新たな人との出会いと、もっと色々なことを体験する2年目にしていきたいなあと思っています。

今学期のテスト終了 

いきなりですが、これは何をするものでしょう?
牡蠣開けナイフ

答えは後ほど。

さて、10月から始まった今学期の最後のテストが、ようやく金曜日ですべて終わりました。
今期は、通常のフランス語の他に美術と映画の授業を取っていましたが、こちらが少々クセモノでした。まず美術は、新古典主義~キュビスムの時代の中で、気に入っている2~3作品を選び、比較して考察を書くというもの。A4で3ページ以上5ページまで。
だいたい対象範囲が広すぎて選ぶだけでも数週間かかり、日本語で考えても1ぺージ分くらいしか考えられず、かなり生みの苦しみ状態でした。ちなみに私が選んだのは、印象派と呼ばれる以前のモネの初期作品です。

映画は、1回の授業の中で飛ばし飛ばしで毎回2本分くらい観るのですが、テストは今まで見た映画のタイトル、監督名、主演俳優名、ジャンル、製作年、ストーリーと覚えているシーンなどを全て書くというもの。でも今学期中に3回テストがあったので、今回の対象は3本だけ。
このテストの場合、覚えていくかどうかで0点か満点に近いかというものなので、原稿を作ってひたすら暗記。監督も俳優も、知らない名前ばかりで暗記するのも一苦労でした。
初めは、こういう名前や年度を覚えて意味があるのかと思っていたのですが、これらを覚えてからは、次から観る映画の時代傾向や監督と俳優の相性、誰の影響を受けた監督なのかなどが少しわかるようになり、丸暗記もあながち捨てたものではないかと思ってます。

そんなテストが終わって解放感たっぷりの今週末、マルシェに買い物に行ったとき、そうそう今夜はこれが食べたい!と思ったのが、これです。
牡蠣開け途中

一枚目の写真、正解は牡蠣開けナイフセットでした。
木のくぼみに牡蠣1個が納まり、さらに木の底にはテーブルやシンクの角に引っかけられるような出っ張りがあるのでしっかり固定され、ナイフにはツバが付いているので、差し込んだ後、ちょっとひねるだけでカンタンに開けられます。
これはノエルの直前にMONOPRIXで売り始め、即買いしたものです。

ブルターニュ産の生牡蠣で、ささやかな独り打ち上げです。

牡蠣


生牡蠣のお供は、レンズ豆とプティサレ(塩漬け豚バラ肉)の煮込み。バターは、
マリー・アンヌ・カンタン(ここのチーズは、新宿伊勢丹でも買えるらしい)です。

プチサレ煮込み CANTINバター

ワインがちょっと残念。家に買い置きしてあったのがソーヴィニヨン・ブランだと勘違いして、牡蠣にぴったりだわと思って買わずに帰宅したら、買ってあったのはピノ・ブラン。
おまけにvieilles vignesなのでやや濃いめ。 やっぱり微妙に合わないなぁ。
フロマージュは、最近友だちにいただいてからすっかりお気に入りの、フロマージュ・フレのまわりに白干しぶどうがたくさんついたもの。名前は忘れました。牡蠣には合わなかったこのワイン、このフロマージュにはバッチリ。
ピノブラン レーズンフロマージュ

今週からはテストのない授業なので、ちょっと気が楽です。

美術の授業 

10月から始まった新学期から、通常の一般フランス語の他に美術の授業をとっています。
ただ今まで美術についてきちんと勉強をしたことがなく、たまに美術館に行って、好きな絵を
ふらっと見る程度でした。

授業では基本的な美術史が頭に入っていることを前提に、その時代の作家の特徴や時代背景、その作家の影響を受けた人たちの作風、構図などについての講義を受けます。
基礎知識もないうえに、言葉もあまりよくは理解できていないので、配られた資料やDVDを見ながら、漠然となんとなーくわかったようなわからないような。

でも、、この後が面白いのです。
1回3時間の授業ですが、1時間~1時間半ほど教室で授業を受けた後、メトロやバスに乗って全員で美術館に移動。オルセーにしても、ルーブルにしても、教室を出てから15分~20分で着くほどの距離です。
そして、さっき紙や映像資料で見たばかりの絵の実物がすぐ目の前にある。これには、毎回かなり感動します。
本物の絵を見ながら先生の解説を聞き、その後は色々な作品を個々に自由に見て、どの絵のどういったところが気に入ったのか、面白いのかについて、翌週の教室で発表したり、レポートを提出したりしています。
教室内の説明がわからなくても、こうして実物を見ることによって、だいぶ理解できるようになります。これはとても贅沢な授業を受けている気がします。

今回ルーブル美術館の年間パスを作りました。裏には、私の名前と写真が入っています。
カルトルーブル表  カルトルーブル裏
そしてとてもありがたいことに、パリ市内で美術を専攻する学生には特権があります。
オルセー美術館などの多くの美術館は、いつでも無料。ルーブルは年間パスを作ることになりますが、26歳以下なら無料。私はそれ以上なので(とっくに)、それでも30€。これは普通に3回行けば元が取れる金額です。これで第一日曜日の無料の日でなくても、もっと気軽に行けるようになりました。

こちらは夜のルーブルの中から見たガラスのピラミッド。
ルーブル夜景

毎週水・金は夜10時まで開いています。
金曜日、先日のストで休講になった授業の振替え日でした。18時、ある絵の前に集合です。
エレベータに乗って館内の地図を見ながらかなり歩き、ようやくたどり着きましたが、ルーブルに入ってから既に15分くらい経過。やっぱり広いわ。夜来たのは初めてです。そう、ダヴィンチ・コードを思い出しました。
ちょうどこの日は私が通っている学校の美術上級者クラスの生徒数名が、ボランティアでルーブル内のいくつかの作品の前に立って解説をするという企画の日でした。日本人も2名ほど参加していて、フランス人にフランス語できちんと解説をしています。
いつの日か、私もこういう場所でこんな解説ができるようになる日が来るのでしょうか。
これは一つの目標です。

そしてこういった学生を受け入れる美術館側もエライなと思います。
パリは芸術の街と言われますが、単に美術館や美術作品がたくさんあるだけではなくて、若い学生を育てよう、盛り上げようとする環境があるから根付いていくんだなあと思います。